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No.096 西日本実業団ロード

広島森林公園のサーキットは、平坦区間がなくタフなコースのひとつ。
得意とは言いがたいが、苦手なのかと言われると過去の成績を見る限りは「そこそこ」は走れていると言えるコースだ。
全日本選手権を終えて、それまで我慢していた虫歯の治療を開始。
春先のオランダ遠征から気になっていた親知らずの虫歯も悪化し、全日本の終了翌日にはさっそく抜歯。 そ
してどんどん悪い歯から治療を行っていたので、正直あまり本調子でこの西日本実業団ロードを迎えることは出来なかった。

096-2.jpgしかしそこは伊達に競技年数を延ばしていない。
どうすれば駄目なりに走れるのかは理解しているつもりだ。
雨の広島とコンディションはやや低下・・・このキーワードから自分の出来ることを考える。
全日本選手権とはまた違うスピード。
距離が短くスタートからスピードは速い。
実際は速くはないのかもしれない。
しかし前出のように雨の場合はスピードの緩急が激しいので、計測されているタイム以上に体感スピードは速いものだ。
特に集団の後ろになればなるほどに。
1周目を終えて集団は半分ぐらいになっている。 俺は集団にいるだけでもきついが、まずはこの3周ほどを、嵐が過ぎるのを待つ小動物のようにじっと、ただひたすらじっと耐える。 そして2周目、3周目を終えると、20人弱の集団。チームメートたちもパンクだったりアクシデントでここにいない。

俺はこのレース前、急遽雨を予想してタイヤを新品のデュロに交換した。
耐パンク性能が他のタイヤとは桁違い。 ただ少しでも傷が入っていると怖い。
それほど雨の広島のコースは特殊。 マトリックスでパンクした連中は、結局春先から使用しているタイヤをそのまま持ち込んでの結果。
もし新品もしくは傷の入っていないタイヤで走っていれば、結果は違ったはずだ・・・

レース中盤、15人ほどの先頭グループしかいない。 揺さぶりを喰らうたびに千切れそうになる。
普段だったら楽勝で消化しているものも嘔吐、体がレースを走ることに拒否反応している。
そんな中、多分唯一救われているのが雨の影響で絶対的なスピードが上がっていないということ。
特に集団がコンパクトになってからは少し楽に感じられている。
でも楽といっても勝負をかけられる余裕はない、この位置にしがみついているのがやっと、それだけの話だ。
全日本選手権で優勝に近いところで展開しながらも失敗してしまったニッポは、井上に佐野、そして眞鍋と3人が残る展開。

096-1.jpgのサムネール画像終盤には10人に絞られる。
その中で3人がニッポ。 揺さぶられつつも、この3人のニッポの選手の動きを利用しなが ら、最終回に突入する。
10人になった時点でスプリンターは俺だけか。
あとブリジストンの福田に愛三の西谷か。
ほとんどのメンバーがここまで目立った動きをしていない俺に警戒しているのを感じる。
俺はただ不調でしがみついているだけなのだが・・・ コースの中間地点へと向かう登りで真鍋がアタック。
俺はここで限界、グループから離れてしまう。
この坂さえ越えてしまえば、まだ何とか立ち回る自信があったのだが限界か。
あとはゴールまでイーブンペースで走り10位でフィニッシュ。
一人になってからは雨の影響か体力を消耗したためか、急に体温が 低下しているのか、急に体が震えだす。
 チームとしては完璧な動きをしたわけではない。
 しかしみんな何かしらの形で俺のために働いてくれたのは確かだ。
なんとなくチームの場所へ戻りづらい・・・ 今シーズンは調子が悪いわけじゃないが、成績には何も反映されていない。 少なからずマークされているのはわかる。
今のチームの状態だと、とりあえず俺を封じ込めれば大丈夫だと言える状態だからマークしてくるのは仕方がないし、俺が他のチームだったらそうするだろう。
 しかしそれを差し引いても数字にならない。 ここまでシーズン折り返し、残るシーズンをある程度考えては行動しているつもりだが、果たして数字に残せるのだろうか・・・

写真:Hideaki TAKAGI

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