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No.90 ツアー・オブ・ジャパン 第4ステージ
いつも「鬼門」になっている飯田。
決してリタイヤすることはないのだが、いつも勝負どころとなる周回の頂上まであと少しと言うところで集団から脱落してしまい、その後のレースに影響している。
昨日の第3ステージ美濃では、まさかの総合上位がそのまま前半からの逃げ切り。少し甘く見すぎていたかもしれないが、ちょっと予想を狂わされる結果となってしまった。
総合を見ても区間での成績を見ても、美濃で計算が完全に狂ってしまった。
この飯田ステージの使い方も違ってくる。
最悪の場合はリタイヤ扱いにならない救済措置の取られる周回数をこなし、そのままレースを去ってしまうのも作戦としては「あり」だろう。
それはこの大会のレギュレーション上、許されていることだから反則でもないし、ズルをするわけでもない。もしそれがズルだというなら主催者が自主的に完走しない選手はリタイヤ扱いにするべきだ。
俺の個人的な主観だが、できることなら救済措置によってレースをすることはしたくない。
去年は修善寺ステージで一度DNFで救済されたが、気分はリタイヤ以下だった。
選手最後のTOJだし、できることならすべてのレースを全力で戦い、悔いの残らないようにしたい。
この飯田でも同じ。
いつも力尽きて悔しい思いをしているが、できることなら最後まで喰らいつきたいという思いはある。
ここは総合争いを考えているチーム、そしてここを拠点として活動しているメイタンとしては攻撃を仕掛けてくることだろう。
まずは序盤の攻撃に関しては完全に静観。
とにかくこの飯田の登りは俺には勾配もきついし力をどんどん使っても走れるという自信はない。
とにかく行けるところまで喰らいついていくだけだ。
総合を狙うチーム、山岳賞や区間、そしてこのコースが得意な選手が仕掛けていく。
登りでは集団の列が繋がっているギリギリまでは脱落してもいい。
下り区間では登りで下げた位置を上げるべくスピードアップ。
下りきったUターンまでに集団前方へ位置する。
ラスト4周になって集団のペースが一気に上がり、ここで力尽きる。
完走するためのタイムアウトを逆算すれば、この位置だと問題はない。
それに集団でも多くの選手が脱落してくれたおかげで、すんなりとグルッペット。
一番怖いのは単独もしくは少数での脱落。
それで先頭のペースが上がってしまい、タイムアウト、救済措置されないままにリタイヤに追い込まれることだ。
2年前に走ったときは、あまりの先頭グループの速さに、計算していた以上のタイム差がつき、正直レースから除外されると覚悟したものだ。
こうなれば走ってゴールを目指すが「レース」はしていない。
ヨーロッパのステージレースでもスプリンターやアシストたちは、グルッペットで帰還し、翌日以降のステージに体力を温存する。
俺も無駄にペースが上がらないよう、グルッペット集団を統率し、安定したスピードのまま無事にゴール。
マトリックスは好調の向川が俺たちよりも前でゴールするも入賞圏外だった。
チームとしてはよくない展開だったが、俺だけの話をすれば一番理想的に飯田ステージを消化することが出来た。
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