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No.075 ツール・ド・台湾 第5ステージ

5-01.JPG第5ステージは今回お世話になっているe-MAの本拠地である新竹がスタート&ゴール。
多くのクラブメンバーがスタート地点に集まり激励してくれる。
俺としてもせっかく今回招待してもらっているのだから、良い成績を残せるようにしたいところだ。

第3ステージを終えてチームメートのリウは総合29位、台湾人ローカルライダー総合2位と健闘している。
チームとしては彼のローカルライダー成績を1位もしくはこのまま2位で終えたいと考えている。
そのためここから最終ステージまでは、リウの成績、そして自分の成績と2つのことを考えて走らなければならない。
リウはヒルクライムはまずまずだが平坦のレース、特に風のきついレースを苦手としており、この第5ステージはそれだけ彼をサポートできるのかが焦点となる。
監督の作戦、そして俺の作戦は後半のギリギリまで、もしくは最後までリウは俺をフォローする走りを心がけるということだ。
スタートからゴールまで、それこそずっと俺の後輪を見つめながら走ればいい。

スタートから周回コースに入るまでは街の中、そして郊外の風のきつい区間がある。その間リウはずっと俺の真後ろで走り続ける。
周回コースでまず風の向き、そして路肩の危険な箇所を確認しながら走る。
行ったきりのラインレースならそれは経験上のみで処理していくが、周回コースの場合は経験もだが目から入る情報で事足りることが多いし、そちらのほうが確実な情報だ。
往路は海から入ってくる右斜め前からの風、復路は左後方からの風。
風自体はきつくないが、もしきつくなれば往路は道幅が狭いのでかなり苦しいはずだ。
序盤から動きは続くが決定的になりそうな動きには見えない。
それはリーダーと攻撃する者たちのバランス、リーダーチームのアシストたちの動きを見ればだいたい想像がつく。絶対とは言わないが…
ただしチェックを要する動きには反応するようにする。
例えば台湾ローカルリーダーであるジャイアントのライ・クァンファが集団から抜け出したときなどだ。
彼から離れてしまうと総合リーダーの可能性は消えてしまうからだ。
俺としては基本的にリウは彼の後ろに着いていき、チャンスとあらば攻撃をするとうのが正攻法でもありもっとも安全な作戦だ。
しかしリウはライ・クァンファほどアクティブな動きができないし、それに自らアクションを起こすことを非常に恐れている。
油断すると周りにいなかったりするので、集団前方に上がるときも他チームに利用されることはわかっているが加速の度合いを落として走る必要がある。

5-02.JPG中盤、リーダーを攻撃する布陣でアタックが決まる。
主要チームからはほとんどがここに入り込んでいる。特に宮澤(メイタン)や阿部(スキルシマノ)などは秒差が肉薄しているので、ボーナスタイムを含めるとリーダーチームに大きなプレッシャーとなるだろう。
そしてアジアリーダーである西谷(アイサン)にしても同じくプレッシャーとなる。そして追走が始まる。
そうなると逃げが決まる可能性は少ない。だが今大会の特徴である1チーム5人という少数の場合はコントロールしきれない可能性も否定できない。
総合に関係の無い俺としては前の逃げに入って思い切りレースをかき乱し、そして自分の成績も狙って行きたいところだがまずは最重要ミッション優先だ。追走する動きを集団内で見守る。
アイサンやリーダーチームの追走で逃げグループは吸収。
そして小競り合いのあと、ラスト1周に入るところで勝負をかける。
ここまでくればあとは根性でリウには頑張ってもらうのみだ。
先行する数人を利用してアタックし、そのままペースアップ。
ゴールまでの直線に入るUターンで加速し、後ろもバラけていくがゴールラインを前に再び吸収される。
ラスト1周はリウを再度前方へ持ち上げつつ、ラスト4キロ辺りから自分の位置取りを開始。
全体に動きが鈍いかラスト2キロではまずまずの位置に。
そしてラスト1キロを切ってスピードをうまく作るように11Tのトップギヤにギヤを固定して脚を温存。
ラスト500mで前のスピードが詰まり一瞬で集団の中に埋もれてしまう。
ラスト300mを切って強引に蓋をこじ開けるように脱出。一番左から一番右へと脱出後にスプリント開始。
多分ラスト200mを切っている。そこから11Tでもがき多分20人近くは抜いただろうか、結局8位でゴールした。

ここに来てようやくと言うかトップ10でのゴールだった。
マレーシア終了後、今年1シーズンを良い状態に保つため意図的にコンディションを落とすようにしていたが、思った以上に苦しい戦いを強いられている。
その中で今日のステージはスプリントやアタック時の踏んだ感触がいいものだった。
最終的に完全に集団に埋もれて万事休すと言ったシチュエーションだったが、最後の最後で何とか脱出し、そして手遅れなところからスプリントしての8位入賞、感触としては悪くない。

明日は第3ステージに続いての山場となりそうなステージ。
リウの成績は?そして俺の成績は?
今から明日のレースが楽しみだ。

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