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No.070 ジョラジャ・マレーシア第7ステージ

マレーシア最終ステージ、ここにきて初めて天候が崩れた。
東南アジア独特のスコールを毎日のようにレース後体験していたが、レースで大崩れしたのは初めて。一度レース途中に雨が降ったことはあったがたいしたことはなかったのに。
最終ステージの行われるクアラルンプールへ移動中、外の景色は雷雨。
開催できるのか?というほどに荒れた天気。
もし本気で勝ちを考えるならこういう荒れた天気は選手のモチベーションの差を作り出すので、俺自身が気を強く持てば有利になる。
ヨーロッパ時代、俺があえて自分のウリになるところを挙げろと言われれば、間違いなくみんなが戦意喪失するようなシチュエーション、例えば雨だったり風だったり、石畳だったり…

スタート前、近くに雷がまだ落ちている。
そういえば2006年にアジア選手権でクアラルンプールに滞在したとき、近くにあるクアラルンプールタワーに雷が落ちる、とうよりもどんどん吸い込まれていたのを思い出す。雷が起きやすいのだろうか。大気の状態が不安定なのか夕立が毎日のように起こっている。
雨が止んで走る準備をすると再び雨。雷もなかなか遠ざからない。
主催者がこの最終ステージを行うことの会議が行われていたようだが、最終的にはもちろん続行。
ただし今日の成績は総合成績とリンクさせず、すべては昨日の成績をもって総合を争うレースは終了と言うことに決定した。
スタートして1周ローリングでスタート。
だが、1周回った時点でかなり危険と判断。選手全員がスタートゴール地点でストップする。
審判と選手たちが協議。最終的にレースを行うことを決定したものの、危険を伴うようなレースはお互いしたくない。
そこで話し合いの結果、序盤は観客に対してショー的なパレード走行、そして後半にはコントロールを解除しレースを行うと言うもの。
ある程度ベテランの選手(自分も含まれる)が各言語の選手たちに伝達し、レースが再開された。
ヨーロッパのチームが中心に集団の前方でコントロール。その中をインドネシアの選手がアタック。誰も伝えていないようだ。これは前方の選手たちがキャッチして事なきを終える。しかしそのうち何人もの選手たちがアタックを再開、コントロール仕切れなくなり、ペースは徐々に上がりはじめる。

路面はウェット。コーナーごとに集団は細いコースを慎重に曲がろうとするためコーナーの後は長く延びる。
中盤まではゆったりと構えていればいいと思っていたので気がつくと集団は分裂しており、序盤からペースアップを余儀なくされる。
取り残されたグループの何人かと協力して前方へ追いつく。
前方にいた集団はとにかくあっけなく逃げが決まったため「たなぼた」を得るため必死。ペースが落ちそうになると誰かが必ず先頭に出てアタック。そして誰かが捕まえに行くためペースがまったく落ちない。
協力して前に追いついてもその動きへの対応でかなり厳しい。とにかく後ろにいてもきついだけ。こういうときは前方に限る。
ちょうどレースも折り返しあたりで集団のペースが一瞬緩む。
それまでインターバルがかかったまんまだったのでようやくペースが落ちたか…と思ったところで、その勢いを利用して3人ほどが飛び出す。
いい位置にはいたが、そこまでかなり脚を使っていたこと、そして瞬時に逃げたメンバーからして次のアクションはあるだろうし、今のうちに休もうと…そう考え結局アクションを起こさなかった。

およそ20秒ほどのタイム差で進んでいく。
集団は強烈なアタックがあるものの、吸収されると小休止、そしてアタックがあり小休止、を繰り返し結果的には平均速で見ればあまり速くない。
自分が多少犠牲になっても次の動きが続くよう、仕掛けたり抜け出したりのグループにジャンプを繰り返す。

逃げる3人は徐々に詰まってはいるが、あと一押しが足りない。
抜け出した後に捕まり、カウンターで仕掛けられた動きを逃すが、唯一集団に残っていた辻弟が死力を尽くす追走で吸収。
ラスト1周まで仕掛けていくが捕まえることができず、4位争いの集団でゴール、8位と言う結果だった。

前の3人が逃げ切ったことは「しまった!」と言う気分だ。
しかし前を行く3人は強かったし、特にスキルシマノの畑中は一番行くべきところで躊躇なくアタックし、それを成功させた。
とにかく前の3人には完敗だ。

全工程が終わった。
今回のステージレースでは勝つことも表彰台も取れなかった。
それは自分の責任によるところも大きいと感じている。
だがポジティブに考えるなら、これだけ毎日チームメートたちと一緒にレースについて考えたり議論する機会がなかったので、俺はそれなりに評価して良いと思っている。
マレーシアで得た経験が、今シーズンのマトリックスの活動に結びつけばいいと考えている。

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