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No.063 '08サウスチャイナシー 第8ステージ

2008racereport-no.063-01.jpgマカオでの最終ステージ。

名物のコロアン島の山の頂上にある観音様ゴール、非常に険しい坂をクリアーしなければならないコースだ。

朝が早いということもあるが、珍しく寒波の影響で肌寒い。

スタートからしばらくはニュートラル。この間はマカオの中国大陸側からタイパ島を結ぶ橋を渡り(普段自転車では通れない自動車道)マカオ空港、新しくできたカジノ・ベネチアンの横を通りコロアン島へ。



ニュートラルが終わってすぐにスイスの選手がアタック。

トラック競技で世界チャンピオンになったこともある選手で、平坦でのスピードはピカイチ。

この日どうするか決めかねていたが、彼のアタックを利用して一か八かポイント賞を狙うという動きに切り替えた。

そして彼が登りで千切れ、その後にウズベキスタンの選手、アンダー23のリーダーがやってくる。

彼とは佛山ステージで一緒に逃げていた選手。躊躇なく逃げてくれるだろうが、問題は彼がアンダー23のリーダーなので総合で見るとそれほど差があいていない。

そのためある程度まで来れば必ず集団に追走されて殺されてしまうだろう。

だが少しだけ希望の光もある。

今まで連日俺が攻撃してきたことで、このアップダウンのローラーコースターコースで香港とデンマークの選手が崩壊しないとも限らない。

そうなれば総合を狙う選手、区間を狙う選手が集団を抜け出し、先行している俺たちにはそのまま前で彼らを待機し便乗で進んでいくという手もある。

あとはウズベキスタンの選手をどう利用するのか、だ。



2008racereport-no.063-02.jpg1回目のポイント。俺は何が何でもとらなければならない。

力ずくで彼の捲りを封じ込める。

2回目のポイント。彼には総合を、そして俺にはポイント賞上位をということで話がついた。俺は登りもほぼ全区間でペースを作り、2回目のポイントをもらう。

あと1ポイントで確か3位以内のはず・・・

そして3回目のポイント。

そのまま先頭で通過しようとしたらいきなり捲られる。

ライン手前で裏切られた。

そして後続から3人が合流(その後すぐ1人脱落)、4人で次のポイントを目指すもここまでほとんどペースを作ってきたために登りで千切れる。

これでポイント賞の夢も消えてしまった。



まだ香港とデンマークあコントロールしている。
2008racereport-no.063-03.jpg
この集団に入り込むが、もうこのあと総合を狙う脚はないのは明白だ。

最後の登りのに向けての位置取りで落車に巻き込まれるのも嫌だ(3年前は位置取りが激しく、登りの入り口の門に激突した選手がいる)。

俺は入り口手前で集団を離脱し一人で観音様へと向かう。

もう俺の中ではこの時点で今ツアーは終了。俺にできることはすべてやったし、この先に俺にできることはない。



区間成績は69位とほぼ最下位。

総合成績は15位から55位へ。

ポイント賞は俺の計算は正しく、4位。すなわちギリギリ賞金圏外だ。

今回はレベルも低く、もしかして?という野望も少なからず持ち合わせていたが、結果に結びつけることはできなかった。



いいときもあれば悪いときもある。

タイではいい思いをしたし・・・こういうときもある。それがレースなんだ。

きっとつぎはいいときは訪れるはず。

そう確信し南シナ海に包まれる西洋の香り漂うマカオを後にした。

写真
01:西洋の雰囲気漂うマカオ。ポルトガル領だった影響が非常に
強く出ている、俺の
好きな町のひとつだ。
02:スタート地点のマカオタワー。338メートルあり
、展望は抜群だ
03:ポイント賞逆転を狙って勝負に出る
(撮影:Hideaki TAKAGI)




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