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No.062 '08サウスチャイナシー 第7ステージ

2008racereport-no.062-01.jpg第7ステージの珠海(しゅーはい)。

南シナ海(サウスチャイナシー)に面している町でマカオほどではないが西洋風の雰囲気がすばらしい。そしてすぐそこにはマカオが見える。

コースは大通りを行ったり来たりするだけの単調なコース。

2年前、ここのラスト400メートルほどでアメリカの選手が中国の選手を手で押し落車。

そのときに落車した中国の選手のハンドルが俺の前輪に入り込み、俺は前輪を軸に地面へ。

大きくダイブして一回転後に地面へと落ちたのだが、その瞬間左脚から「バーンッ!」という音がし、そのままあまりの痛さに歩くことができなかった。

左ふくらはぎの筋肉断裂。

あの落車のせいで06年シーズンの前半は自分の思ったパフォーマンスを発揮することなく終えてしまった・・・

力尽きた選手が最後の死力を尽くしてスプリントを行っていたため、ちゃんとスプリントできなかった選手が危険を招いていた。

今回は力のない選手でもゴールへと辿り着ける展開が多いため、普段UCIレースで賞金圏内に絡まないような選手が強引に突っ込んでくるので危険だ。

もう2年前のような思いはしたくない。

だが野望なしで走るわけじゃない・・・



風がきつく向かい風と追い風のみ。そして翌日はアップダウンで総合成績を大きくシャッフルするマカオステージが控えており、ここはつなぎと考えているチームが大半だと感じられる。

俺自身あまりここでは脚を使わないようにしたいが、もしほとんどの選手がそう考えている場合は、逃げるチャンスが生まれる。

要はみんなと同じことをしてもダメ。勝つということはほかの選手と同じじゃダメだ。

まずは集団の中の意思を感じ取りながらレースを進める。



逃げる選手に対しては、ここまでと同じく香港とデンマークが完全に集団をコントロール。

はっきり言って面白くない。こんな面白くないレースをしにきたんじゃない。もっともっと激しいレースを展開し、自分の苦しいがみなも苦しい、そんなレースでコンディションも上げ、そして気持ちを作ってシーズンを迎えたい。ただただゴール前でのみスプリント合戦にしたくない。

そうなると距離が短いこのツアー、ピュアスプリンターじゃない俺には正直なところチャンスは大きくない。俺の場合はコーナーが多く、ストップアンドゴーで消耗するコース、もしくは150キロ以上を走ってある程度消耗したステージのほうがチャンスが大きいように思うからだ。

何度かアタックを試みる。それは今までと同じ。そして香港とデンマークがコントロールし、ほかのチームも仲良しこよし、まったく攻撃しようとしない。

俺はポイントとなりそうなところ以外は待機、最後のスプリントに備える。



徐々にデンマークの列車が形成。今日は俺も相手が誰であろうと位置を主張。取れるものなら力ずくで取ってみろ、そういう気持ちでデンマークの後ろを主張。スプリントがかかればデンマークの選手と対等に戦えるはず。

その気持ちのおかげか競ってきた選手には競り勝ち、位置を主張。



ラスト1周。

もっとスピードを上げないと沈んでしまう。

そんな中途半端なスプリント合戦でデンマークが最終コーナーを前に日本ナショナルチーム列車に競り負け、ニールセンは沈んでいく。

そして西谷も列車から剥がれたのか遅れる。

俺はこの両者の位置より後ろなのでヤバイ。

180度ターンで皆がペダルを止めて回る中、俺はペダルがかまないように漕いで少しでも前に移動。

そしてコーナーを立ち上がってラスト500メートル、台湾のスプリンターを発見し彼の番手に。その間に自分の脚を回復させるよう心がける。

風上から上がっていくので、風を突き破って進んでいる分は確実に消耗している。

そして台湾の選手も俺も本格的なスプリントを前に力を消耗しすぎ、まったく前を拝むことなくゴール。俺は10位、台湾の選手は9位だった。



最終コーナーをうまく回れたか否かで明暗を分けてしまった。
2008racereport-no.062-02.jpg
先頭でクリアーした日本ナショナルチームは、飯島の先行で集団の中に埋もれた選手たちは二度と浮上することなく撃沈。

飯島の番手にはまっていた角は2位に入賞するも最終コーナーで剥がれてしまった西谷は着外に。そしてニールセンも列車自体が埋もれてしまったがために着外に終わった。

そう考えれば10位に入り込めた俺は「良し」とするべき成績なのか・・・



明日はいよいよ最終ステージのマカオ。

ポイント賞3位以内まであと11ポイント、総合は3分9秒遅れの15位。

何を考えて明日を戦うのか・・・

そのことを考えながら中国からマカオへと入境していった。

写真
01:昨日区間優勝した西谷と。西谷とはかれこれ5年ほどの付き
合いで、チームは違
えど兄弟のように仲良くしている選手の一人だ。(撮影
:Hideaki TAKAGI)

02:中間ポイントをとにかく狙う。たとえ1ポイントでも・・
・最後の逆転を狙って・・・
(撮影:Hideaki TAKAGI)


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