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No.061 '08サウスチャイナシー 第6ステージ

第6ステージは中山(チュンサン)で行われるクリテリウム。

1周2.5キロほどのコースでコーナーが多く、うまくいけば攻めどころが多いので攻撃すれば・・・最終日に向かうステージ中、最も攻撃力を生かすことの出来るステージではないだろうか。そういう思いを持ってスタートに。

昨日のステージで攻撃の手を緩めなかったのは、このステージで香港、そしてデンマークなどの支配力を低下させること。そうすることで後半に総合上位の選手も巻き込んでアタック合戦に持っていけるからだ。

スタートからいきなりのアタック開始。集団は細い路地を抜ける際に伸びるため、後ろにいればいるほど苦しくなる。

2008racereport-no.061-01.jpg2周目、西谷、飯島の日本チームを含む4人のアタックが決まる。

その逃げに香港とデンマークはどういう反応をするのか・・・

危険なメンバーだが泳がせているのか30秒ぐらいで推移。デンマークはまったくポイント賞に興味を持たないのか、追走の動きを見せない。あくまでも区間賞狙いということか。

俺としては西谷らを同じに日本人ということで彼らの攻撃をあえて見逃したが、自分のことを考えると見逃したことを後悔する。ここで前に入っていれば、少なくともポイント賞は確実に上位に絡めるのだから。



香港とデンマークの共同でのコントロール。昨日逃げているときにある程度気がついていたのことだが、彼らは確実に利害が一致しているということ以上の密約を交わしているようだ。最初はあくまで推測レベルだったが、今日の動きを見ていると確定。



香港チームは危険を察知しているのか追走のペースを若干上げている。

西谷も飯島もこのまま差を詰めれば総合を脅かしかねない。香港にしてみればデンマークの区間賞を狙い総合3位以内を確定させるということよりも重くみている。

徐々にペースが上がりだし、先頭グループと差が詰まり始め日本チームの若手に焦りが出る。

どうすれば前の2人を助けられるのか・・・

彼らから相談を受け、簡単なアドバイスをする。

所属しているチームこそ違えど、同じ日本人として利害が一致するしているし、これから日本を背負っていく選手からの頼みだ、断る理由はない。



レース中盤になって逃げグループは吸収。レースは再びアタック合戦に戻る。
2008racereport-no.061-02.jpg
デンマークのニールセンはここまで区間3連勝。

ここまでの追走でアシストに仕事をさせることで自分たちがレースを支配し、自分たちの実力をアピール。こうすることで自分たちの場所を確保、スプリンターの選手は列車の後ろに固定できる。

その支配力を壊すべく、俺は何度もアタックする。

コーナーの立ち上がりを利用して差をつけるが協力者を得ることが出来ない。

なぜ?

タイでは少なくとも総合のジャンプ、区間優勝などアクティブな動きが見られたが、ここではすべて香港とデンマークにお膳立て。あとは干上がりそうな水溜りの水を吸い取るようなことばかり考えているとしか思えない。

去年のように力ずくで勝負し、その結果おいしいところだけを奪おうとする連中は大きく遅れる、という図式はなく、こんな選手でも毎日集団ゴール?と言う選手までもが連日残り、そして反則行為のような状態でスプリントに参加・・・

逃げを決めることが出来ないままゴールスプリントへと向かう。



デンマーク列車が形成。しかしあまり勢いがない。そのため油断していると巻き添え食らって沈んでしまう。位置取りが非常に難しい。

もしタイのときのようにチームが参加しているのであれば、列車を組んで前を固定したいところだが、今回出場しているCMSでは不可能だ。何か出来ることを見つけ出していくしかない。



ラスト1周でローマンが中途半端な位置。俺は声をあげて前に上がるよう指示。しかし躊躇の連続。

そのまま最終コーナーへ。多分10番手ぐらいの位置。

ここで飯島、西谷らの後方だったかでデンマークのニールセンがスリップして落車。

これが原因で上位陣も含めての大落車に。

俺の前を牽引するローマンは落車してできた「てんこ盛り」へ。そのまま「盛り付け」られる。

俺はその落車している連中の比較的低い隙間を見つけてバニーホップで危険回避。

もしホイールが引っかかっていれば2年前のように大落車だったかもしれない。が、そのときは一瞬の判断、躊躇する余裕はない。一か八か・・・



そのまま落車しているところを過ぎるも大失速。

大勢の選手に抜かれて14位でゴール。

優勝は西谷。そして牽引した飯島が3位とジャパン大活躍だった。

ニールセンが落車した結果、ポイント賞は西谷がよほどのことがない限り手中に収めた。

俺はいったい何ができるの?と自己嫌悪。

確かに同じ日本人として彼らの攻撃を潰してしまうのはよくない。

しかしだからと言って俺のチャンスを自ら壊してしまったことはどうだったのだろう・・・同じチームならまだしも、今回はまったく違うチームだ。

残る2日、後悔するようなことはしたくない。あとは思い切り自分にできることをしっかりとしていくこと。

でないとチームプログラムでもないこのサウスチャイナシーに来た意味がなくなってしまう。

写真
上:コーナーの立ち上がりを利用して仕掛けてみる 
撮影Hideaki TAKAGI

下:撮影 Hideaki TAKAGI


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