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No.060 '08サウスチャイナシー 第5ステージ

第5ステージの佛山(ホーシャン)はサッカースタジアムの周り、何も遮蔽物のないところの周回コース。
2008racereport-no.060-01.jpg
去年は風の影響で集団は何度も分裂したが、今年はあまり風がない、それに去年のオムニバイクチームのような強烈に集団を支配して攻撃してくるようなチームがない。

今年参加しているオムニバイクは、ウズベキスタン人中心で攻撃力はそれほど高くない。展開にはあそれなりに絡んでくるが、去年はロシアの現役プロチャンピオンだったカツンセフなど、一人でも十分集団を破壊しかねない勢いがあった。

そして今回のサウスチャイナシーでもっとも例年と違うことは、黄金寶(ワンカンポ)が出ていないと言うことだ。

2008racereport-no.060-03.jpgそれは彼に中國銀行がスポンサーについているため、今回HSBCがスポンサーすることで出場することがスポンサー絡みで実現しなかったらしい。

黄金寶がでるということは、ほぼ彼のために作られたチームで、彼がリーダーでないときは徹底して攻撃する姿勢を貫き、区間でも容赦しないために他の選手は結局のところ攻撃しなければ彼と戦えない。

そのため例年はもっとレースに勢いがあった。そして力のない選手たちは力尽き、スプリントももっと速かったように思う。



スタートから4人が抜け出る。香港チームは今日もスタートからコントロール。それほど速くはないが後ろから見ているとそれほどフレッシュには感じない。

香港チームを苦しめてライバルチームを結託させることが出来れば、微風状態の今日でも十分今までのタイム差をオールリセットさせることが出来るはず。

そのためなら今日は自分が犠牲になってでも攻撃を仕掛けてきっかけを作っていきたいところだ。



淡々としたスピード。こんなスピードじゃ後半に苦しめることが出来ない。

俺は30分で我慢の限界、攻撃に出る。

40秒の差を一気に10秒にまで詰めるもすぐにチェックが入る。しかしこの動きで集団からアタックがかかりはじめて前を吸収。

この攻撃の応酬に香港がさばき・・・そしてそろそろタイムアップだな、と最後のトドメを差すつもりでアタックをかける。

オムニバイクでアンダー23のリーダー、スキルシマノの中国人の3人。集団は香港がリカバリーするまでの間は動きはないはず。もしくは攻撃再開で後ろがバラけてグループで追いついてくるか・・・どちらにしろ俺は今日のゲームのスタートボタンを押した、もう戻れない。攻撃だ。



およそ2周ほどでタイム差は1分近く。間には30秒差で2人。どうやらオムニバイクとナショナルチーム飯島か。先行するオムニバイクが待つという態度を取るなら従うところだがいきなり30秒失うことになる。どうやら待つ気配はない。そしてそのまま3人で逃げることになる。



3回めの中間スプリント。オムニバイクが取ろうとしたので先行して取らせない。
2008racereport-no.060-02.jpgのサムネール画像
もしこのままポイントを重ねれば、ポイント賞も3位以内争いが見えてくる。今日はそういう意味でも重要な日。協力して逃げ切りたいがそのうち香港が彼を逃がしたくないし(ウズベキスタンの選手とはあまりタイム差はないはず)デンマークも3勝目の区間賞に向けて追いかけてくるはずだ。



4回目のポイントも狙いにいく。スキルシマノの選手はあまり独走力がないのか先頭に出ても44キロぐらいしか出ていない。俺は常に47キロ以上を心がける。とにかく逃げきることも考えるなら、目安は46キロ以上だろう。

後ろが追走してきているのはタイム差のボードで把握する。

香港チームと根競べだ。

そして中間ポイント争い。これは捨てられない。

序盤に大きく出遅れたポイント争いだが、考えようによっては「なんとか」争いに加わることが出来るところまでいけそうだ。

それはこの第5ステージ、そして第6ステージで方向性が見えてくるだろう。

3人での逃げ、確実にポイントが加算できるシチュエーション。チャンス到来だ。

オムニバイクの選手がアタックされるがライン手前でまくる。何とか2回とも1位通過することでポイント賞ランキング3位争いの最後尾が見えた気がする。



ラスト15キロを切って集団に吸収される。

集団は区間2勝を挙げたニールセンを勝たせるべく追走。そして香港の共同追走。それにマルコポーロも参加している。

途中でタイム差の詰まり方がいびつだったので、少し警戒していたが・・・どうやらデンマークのチームが追走の中で距離を図っていたようだ。

こちらも逃げながら少し後ろの動きを把握するため少し裏技を使ったが、そこで後続の動きを把握できた。



ゴールまで徐々に位置取りが激しくなる。

集団内はそれほど消耗がないようで今日の位置取りは激しい。

ラスト1キロでプッシュする脚がないのでスプリントに参加するのをやめ20位でゴール。



香港チームは3日連続でレース主導権を握っている。

これは十分消耗しているはずだ。そろそろ明日あたり本気のアタックで戦いを白熱させたいところだ。

写真
01:撮影Hideaki TAKAGI
02:黄金寶(ワンカンポ)。今年は黄金寶が出場していない。それがキーワードとなっている。撮影Hideaki TAKAGI
03:撮影Hideaki TAKAGI

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