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No.048 '07ツール・ド・熊野後編

ツール・ド・熊野の第2ステージは、日本のロードレースでもっとも過酷な山岳コースとも言っても過言ではないだろう。

過去には登りで遅れるも下りで挽回し、奇跡的にラスト10キロを切って優勝を争うグループに追いついたこともある。とにかく勝負は最後まであきらめてはいけない。

スタートから最初のホットスポットをチームで狙いに行く。橋川や向川にアシストしてもらい、山本(シマノ)や角(鹿屋体育大学)に競り勝ち1位通過。2回目はチームの形的には最高だったが、今度は山本にうまくやられ着外に終わってしまった。

2回目のホットスポット直後に始まる千枚田。全力でスプリントしたあとに登っていくのはかなり辛い。今回もかなり粘ったが頂上まであと200mほどで千切れ、そのまま追走集団に脱落してしまった。

前に追いつかないままに札立峠に突入。

こ こまでチームメートがスピードを作ってくれたおかげで、登りに楽な状態で突入できた。札立峠も自分の中では比較的よいリズムでクリアー、そして下りで追走 を試みるも前には追いつかず先頭からは総合に関しては致命的な差をあけられてゴール。この時点で目標を総合から区間優勝、そしてこの時点で総合2位につけ ている辻の総合をどう維持するのか、だ。

区間

1位 鈴木真理(チームミヤタ)

2位 大内薫(スキルシマノ)

3位 辻善光(マトリックス)

総合

1位 鈴木真理(チームミヤタ)

2位 辻善光(マトリックス)

3位 大内(スキルシマノ)

第3ステージに向けてのチーム作戦は、第1目標として俺の区間優勝。そのためには辻の総合上位を失っても構わないという安原監督の考えだ。さすがにこれは俺自身も辻の総合を失ってまでは、と言うのが本音。そして辻の総合をチームみんなが見ることで、チームをまとめていくことも出来る。今のマトリックスにしてみれば、この辻の総合を逆転する、維持する、上位に留めるということが良い経験になると思っている。

も し俺の区間賞、と俺が考えるならば、チームには申し訳ないがチームの力とはまったく関係ないところで展開していくだろう。もちろん俺自身勝利が欲しい。し かしこの時点でチームとして本当に大事なのはだっちだろうか?俺はまずは辻の総合上位維持、そしてその中で俺にチャンスがあるなら俺が仕掛けるということ を基本的作戦としてレースに挑んだ。

ここまで総合リーダーは鈴木真理(ミヤタ)。タイム差はほとんどないものの逆転にするにはかなり厳しい状況だ。

逆に総合上位に複数人入っている愛三工業は廣瀬敏別府匠、綾部勇成、盛一大が攻撃してくるに違いない。ここでミヤタがどう動いてくるか。

古巣でもあるミヤタには頑張って欲しいし、窮地に追い込まれた場合は助けてあげたいと言う思いもあるが、ここは心を鬼にしてお手並み拝見。「リーダー」としての走りをしてもらい、俺たちは敢えて喧嘩を仕掛けていくのみだ。

スタートから攻撃が開始される。

愛三は容赦せず総合上位者を使ってどんどん仕掛けてくる。

そして俺も序盤から攻撃開始。とにかくリーダーチームやチェックを入れてくるチームが諦めるまで攻撃するのみだ。

そして盛、西谷(愛三)飯島(BS)秋田(タクリーノ=今回はミックスチームで参戦)日置らが逃げに成功、ミヤタから増田が入る。ここからミヤタチームが集団の主導権を握って今日のレースが始まった。

盛、西谷と言った国内トップの独走力をもつ選手を逃がしてしまい、距離の短いレースで少し泳がせすぎでは?という展開で追いが始まった。増田が入ったことも危険な賭けだ。

追いが始まったが差は2分ほどから詰まらない。組織だった追走を行わず、あくまで少数で追走し、増田でも区間賞、そして柿沼での総合上位なども狙っている作戦が伝わってくる。

本当にそれで前を吸収できるのか?と思っているうちに差は少しずつ広がり、明らかに詰められない射程圏外へと抜けられてしまった。

西谷が 仕事を終えて前から脱落。ここから徐々に前との差も詰まっていく。多分よほどのことがない限り追いつくことはないだろう。そして集団はそのまま追いつくこ となくゴール。5位争いの集団は辻が取り俺は辻の後ろを抑える形で6位でゴール。辻にはポイント賞の上位入賞があったので、俺が辻をかわして先着する意味 はないと判断し辻・俺の並びでゴール。

総合では盛が逆転し鈴木が2位。辻は総合3位とひとつポジションを下げたが実業団1年目としては上出来だろう。

今回の3日間は、今年に入って徐々に進歩しているチームにとって、すべてを理解するには難しいほど多くの出来事があったと思っている。

これらを少し時間をかけて、練習のとき、そして次回以降のレースで同じようなシチュエーションのときに、ここで上昇した経験値を生かせるようしていければと思っている。

区間

1位 飯島誠(アンカー)

2位 盛一大(愛三)

3位 日置大介(マトリックス)

5位 辻善光(マトリックス)

6位 三船雅彦(マトリックス)

総合

1位 盛一大(愛三) 7時間49分34秒

2位 鈴木真理(チームミヤタ)+55秒

3位 辻善光(マトリックス)+1分7秒

16位 三船雅彦(マトリックス)+5分47秒

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