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No.043 '07シマノ

’07シマノもてぎロード

昨年優勝した茂木ロード。今年はディフェンディングチャンピオンとしての出場となった。

今月末に始まる実業団レースまでは、格付けだけで言うと重要なレースではないが、昨年優勝することが出来なかったマトリックスの 一員として指揮を取る立場としては、ここはレースの大小関係なく勝ちに行きたい。どんなに大きいレースだろうが小さいレースだろうが、そして200人走ろ うが2人だろうが勝つのは一人。どうやったら勝てるのか。勝つためにはどういうことを考えて、どういうアクションを起こすのかは、こういう失うものが小さ なレースの方がいい。

まだコンディション的に良くないメンバーが多いため、チャレンジで好調だった日置、そして俺を中心にレースを組み立てることで決まる。

スタートして早い時期に橋川を含む逃げが決まる。

橋川、三瀧・田代・飯島・譜久原のBS勢、山本・辻のシマノ、柿沼・山下・増田のミヤタなどメンバーが比較的良かったので、危険を感じ、次の動きを見逃さない。

阿部・大内(シマノ)鈴木(ミヤタ)も同じ考え。上りきったところで追走するグループ。俺は日置と共に彼らと前を追走。そして前に合流したところで日置や大内は脱落する。

中盤以降、ブリヂストンの飯島や田代を中心にアタックが繰り返される。

タイトルとしては国内選手権や実業団レースに比べれば重みは無い。それが彼らにしてみればあくまで練習感覚でアタックを止め処も無く仕掛けてきているのだろうか。

俺と橋川のマトリックス勢は、とにかく勝つことにこだわってレースを進める。

途中橋川から

スプリントに備えてください、俺が先頭で回りますから」と人数的ハンディを十分補えるようなアシストをもらう。

ディ フェンディングチャンピオン、そして橋川が十分に2人分の仕事をこなすのだから、少しぐらいローテーションを積極的に行わなくても他チームから文句の出よ うはずが無い。俺はその恩を数字が返すのみ。気合いを入れなおして時折先頭に出る程度、引かない選手をうまく自分の前に入れて、とにかく満遍なく先頭に出 すよう、回らない選手を作らないようにして、特に弱い選手に脚を使わせていく。

ラスト周回。米山が先頭に積極的に出ないことで勝負を見ている選手たちから先頭に出るように喝が入る。そして登りで米山の前にいた5人がペースアップし、そのまま先頭グループは2つに分かれる。

橋川(マトリックス)

三瀧(BS)

小室(コムレイド)

増田(ミヤタ)

山本(シマノ)

俺は後続グループに睨みを利かせて前の5人をアシスト。そのタイミングで橋川が単独で抜け出している。残された4人、そして俺のいるグループも駆け引きでペースが上がらない。

俺のグループにはBSが3人、そしてミヤタが3人。俺が追うシチュエーションじゃない。あとはこのメンバーをチェックしていくのみ。

ラスト2キロを切って飯島がアタックして抜け出す。

スピードのある飯島。しかし前に追いつくのはかなり厳しいだろう。俺は無理に追うのではなく、次の動きを封じ込めるようにして、飯島に強力な選手が追いつかないようにする。

そして橋川は残り3キロを単独で逃げ切り優勝。

俺のいるグループは7位争い。

今後何度となく訪れるであろうゴールスプリントを想定して、7位争いでも手を抜くことなくスプリント、7位でフィニッシュとなった。

橋川が捨て身的なレースをしてくれたおかげで、それが多くの選手にしてみれば明らかに俺がエースで橋川がアシスト。そのスタイルにばかり目が向いてしまったことで、橋川自身にチャンスが生まれた。

レース前は調子はいまいち上がっていないといっていたが、それはベテラン選手らしく、コンディションが上がりきっていない状態でもきっちりと気合いで勝ってしまった。

トニステイナー時代に2年間同じチームで走り、同じアパートの建物で3年以上生活していたことで橋川のことは理解しているつもりだが、こういった献身的な状況、過酷な状況になればなるほど強さを発揮しているように思う。

ラスト3キロほどで5人で抜け出してすぐに単独で抜け出したように、本能的にレースを見る能力に長けている。

今まで伊達に多くのレースを勝利してきたわけじゃない橋川の強さの光ったレースだった。

チームは3レースを消化して2勝。去年マトリックス実業団ランキング3位ながら未勝利に終わっている。今年はそれがまるで嘘のようなスタートだ。

俺は勝つことがチームから自分に課せられたことではあるが、もちろんこれらのレースのように、俺がうまく勝利に貢献することも大事だと思っている。

それがきちんと評価してもらえるならば…

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