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No.038 ツール・ド・インドネシア第8ステージ
Stage8 Jember-Banyuwangi 111.6km
第7ステージ後、意識が遠のいていって、ホテルに着くなりそのままトイレへ直行。点滴や薬を投与されたものの、まだ腸内には菌が残っている。それがレース中の抵抗力のない身体で繁殖しているのだろう。レース中盤からほとんど記憶の中にレースのことが残っていない。覚えているのはラスト10キロの横断幕。これでなんとか明日も走れるな、と・・・
ま ともに食事が出来ない状態だった。とにかく寝た。起きると腹痛でトイレへ。その繰り返し。だが徐々にだが体は軽くなり回復傾向にあることを感じ始める。目 の焦点が合い始めたからだ。それまで目を開けることすら苦痛で、物を見ることが非常に困難だった。それがなくなったからだ。気を強く持とう、必ず回復す る、回復してみせる!・・・
第8ステージ、110キロほどのステージだが序盤に700mを一気に登る峠があり、これが最後の難所となりそうだ。
既にリタイヤし先回りしてコース視察してくれた福島兄からの情報だと、勾配はそれほどきつくなく、ただ路面は激しく荒れているらしい。
時折腹痛に襲われるが耐えられる範囲だ。俺と廣瀬は最初のグループでクリアー。俺はこの時点で一度失ったスプリント賞の逆転を狙えることに気合いが充填される。
下りの路面の荒れ方はハンパではなく、テロでもあったのか?と思うほど道は穴だらけだった。
この日はスタートから非常に多くの困難が待ち受けていた。
この日までの飯島の総合成績は十分4位で終えることのできる位置だ。そしてチーム総合は現在3位。スプリント賞は現在4位だが逆転可能な位置だ。前夜に三浦監督からスプリント賞を諦めるなよ、と檄が飛ぶ。
下りでパンクする選手が続出。俺はそのパンクした選手を横目に下っていく。
前の選手が下ったラインを見て、前の選手のラインが急に変化すればパンクしたのかどうか分かる。そうなればそのラインを気をつければいい。グループの最後方近くでリスクを避けながら下っていく。
そのとき10秒近く前を行く廣瀬から無線でパンクした、ホイール交換を!と指示が入る。
俺はそのとき総合13位ほどにいる廣瀬にホイールを渡すか否かを考え、そのままスプリント賞の可能性と総合10位の可能性とじゃ天秤にはかけられない、そのまま廣瀬には悪いが待てない。俺はそのまま下った・・・
逃げグループは20人ほど。
下りきったところで集団との差はおよそ1分弱か。そして集団ではポリゴンサイクリングチームの選手達が先頭を引き、集団から徐々に差を広げていく。
スプリントラインでは、逆転を狙ったコウデントソフとアブデューラが激しくやりあい、俺はそこに便乗してポイントを取りに行こうとするも、やはり力が入らないのか取れない。まったく伸びない。これでスプリント賞獲得の夢は切れた。しかし3位以内だったらまだ可能性はある。3位と4位では全然違う。4位では賞金はでないからだ。
俺はこのステージ、とにかく逃げグループの中で何もせずにただ着いていくだけ。チームカーからは飯島が不調で最初の登りで自転車を 降りたことを聞かされ驚く。あれほど皆が困難な状況でも、ただ一人先頭グループに残るほどの能力を持つ男。今日も苦しいのは分かっていたが、無難にステー ジを終えてくるものと信じていたからだ。だからこそ峠の頂上で先頭グループに入らなかったときも敢えて待たなかったし、サポートカーがついている以上、 「なんとか」する術は飯島の場合、ナショナルチームのキャプテンとして十分知り尽くしていると思っていたからだ。
たったの2人。もうチームプレーとかはない状況。あるのはただ落ちているものを拾い集めようとすることだけ・・・
後続との差も2分ほどの状態が続く。それが逃げグループにはプレッシャーとなっているのか抜けだすものはいない。
ラスト3キロほどになってマッキャンや総合上位の中ではやりあっているが、結局スプリントに持ち込まれる。
俺は中間のスプリント賞のときと同じく、踏ん張ると力が入らず伸びず、結局11位。
残るはあと1ステージ。スプリント賞での3位以内を狙い、なんとか気合いを入れなおしてバリ島ゴールを目指す。
区間成績
1位 コウデントソフ(グリーンフィールド・フレッシュミルク)
2位 エルラー(ジャイアント) +同タイム
3位 プリヤプラセチャ(カスタムスサイクリングチーム) +同タイム
11位 三船雅彦 +同タイム
52位 廣瀬 +2分16秒
総合成績
1位 マッキャン(ジャイアント)
2位 ジャディシュキン(ポリゴンサイクリングチーム) +2分45秒
3位 セイェドレザエイ(イラン・アザド体育大学) +5分13秒
15位 廣瀬 +20分5秒
39位 三船雅彦 +1時間3分14秒
1位 アブドゥーラ(ビンタンクラッガン・サイクリングクラブ)23ポイント
2位 コウデントソフ(グリーンフィールド・フレッシュミルク)18ポイント
3位 セティアワン(カスタムスサイクリングチーム) 15ポイント
4位 三船雅彦 11ポイント
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