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No.029 丸岡ロード

去年優勝した丸岡ロード。もちろん今年も俺は勝ちを狙いたい。ただ今年は去年と少し違う立場に置かれている。それは8月の終わりからナショナルチームに選抜され、ツール・ド・インドネシア、そしてアジア選手権代表になったことで、俺は丸岡のレース前に高強度の練習を増やしていた。そのことでレースでは気持ちは最高潮に盛り上がっていたが、体調的には最高潮まで盛り上がっていなかった。

今 日の作戦は真理のJツアーリーダーへ向けてポイントの加算。そして今期まだ熊野のステージ優勝のみしか実業団レースでミヤタは優勝していない。そのため何 とか優勝へと目を向けている。俺や柿沼はそのための最後のアシストといったところか。後は若手がどれだけ力になってくれるのか、だ。

序盤、俺は攻撃を開始する。

大周回。ピークのトンネルを越えての下りでペースアップ。そのまま下りきったところでも休ませないようにスピードアップ。平坦で俺のスピードメーターは時速55キロを表示している。

このような状態で2周の周回を終えようとしていた。そこで高野が勇気あるチャレンジを行った。

高野の攻撃が呼び水となり、15人ほどが先行する。そしてそれを追走する数人のグループ。俺は「終わった!」ととっさに判断。一瞬反応した選手をめがけてアタック。集団から抜け出す。

俺 はその後単独に。川沿いの緩い登りを時速40キロで走っていく。先行グループとは20秒ほどの差が6秒ほどに。しかしそこからが詰まらない。前を逃げるの に必死だ。俺は何度か無線でペースを落としてくれと頼むが、曲がりくねったコースが無線の機能を奪い取る。俺は絶体絶命、もう踏むのを諦めようと何度も 思った。

そのとき先頭グループの真理が後方に目をやり、俺の存在を確認。そして柿沼や高野に連絡が行き届き、後方に下がってくれたおかげで俺は先行グループに奇跡的に合流することが出来た。

しかしこのときにかなり消耗したのか、周回コースに上がってからもあまりスピードが上がらない。

このグループが20人ほど。主要選手がほぼ入り込んだために集団はもうこれで終わりだろう、そう思った。

しかし乗り遅れた選手達が一致団結し追走。意外にもペースは速く、俺たちは集団の射程圏内に入ってしまうほどだった。しかしここで飯島(BS)など追いつかれたくない選手達がペースアップし、ギリギリのところで集団をかわし、逆に逃げ体制を築きあげる。

周回コースを脱出し、最後の登りへ。ここで強烈なアタックはないものの、ペースは徐々に上がっていく。

俺は必ず下りきってもう一度再合流するのは間違いないと判断し、あえて全力で登らないようにする。それに暑かったためか普段攣ったりしないようなところまで痙攣を開始しており、無理をすることもあまり出来ない。ここからは誤魔化しながらゴールまで行くしかない。

案の定トンネル手前でペースアップしグループは2つに分かれる。

俺は後続になるものの、下りきる手前で合流。このあたりは予想通りだ。

平坦に入ってのペースアップは完全に脚が攣ったせいで脚の回転がカクカクしている。

俺が最後までいることで真理にとっても有利になるだろう。例え何も出来なくても、真理がペースアップしたときに、俺に対する動きだと思わせ牽制してくれれば、そういう存在感があるだけでも違うはずだ。

最後のコーナーを曲がる。飯島や柿沼らが先行しているが、そのまま行かせたくない盛(愛三)が廣瀬のスプリントのために玉砕覚悟で引きまくる。そしてラスト1キロで10名ほどに。

俺は真理のために先行したいところだが、もう脚が攣ってスプリントできると言う気持ちもない。あとはこのまま惰性でゴールだ。山本(シマノ)や真理がスプリントしているのを俺は後方で見つめていた・・・

真理は山本に差されて2位。俺は7位でゴールだった。

去年優勝しもう一度チャレンジしたい!と思って乗り込んで来たが、実際は直前の乗り込みで体はあまりキレがなく、おまけに見せ場もなく終了したと言う思いしかない。

来年はチャンピオンではない。挑戦者としてチャレンジしたいと思っている。

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