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No.019 サイクルロードレース・ジャパンツアー開幕

今年から実業団のレースはサイクルロードレース・ジャパンツアーとして新しいシステムが導入された。そして年間のランキング上位選手には賞金がもらえることになった。そのため個々のレースの結果はもちろん重要だが、すべてのレースをトータルで考え、総合での結果も考慮しなければならない。

この東日本実業団ロードは、群馬県にある群馬サイクルスポーツセンター(群馬CSC)で行われる。そしてサイクルロード・ジャパンツアーの第1戦となった。

去年は序盤から15人ほどのメンバーが抜け出し、ミヤタが主導権を握るような形で進んでいたが、中盤にアタックした際、チームメートと離れてしまい逆に後手に回る形となってしまった。

そのため最後は力尽きて3位と言う結果になってしまったが、展開的には一番強かったと思うし、十分優勝することも可能だったはずだ。

今年はなんとかリベンジを果たせるように、と言う思いでレースに挑む。

今シーズンはブリヂストンやニッポも実業団レースに参戦することとなり近年で最もレベルの高いシーズンの始まりとなった。例年なら3ディズ熊野実業団レース初戦と言うことである程度レースを走れるのだが、今年はスケジュールが変更され、このレースが100キロ以上で行われる最初の主要レースとなった。

スタートからペースは遅くないが、集団全体が牽制状態で動き出す。まるで世界選手権の序盤のようだ。すごく息苦しい雰囲気だ。シマノは強力だが半分のメンバーはオランダを中心に海外で活動している。そのためすべてをコントロールすることはできない。ニッポは岡崎、真鍋、そしてウィジアックと最強布陣だが、外征の疲れ、そして帰国直前のレースの滞在先で器材一式が盗難に遭い、乗り慣れたバイクではない。ブリジストンは飯島と田代というツートップで国内最強コンビだが、最終局面までの組み立てを考えると2人ですべてをコントロールするには負担は大きい。

力をつけてきている他チームの選手達の動きを考えると、各チームが強力であるがゆえに皆にチャンスが生まれると思う。

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3周めに入り、下りで集団を伸ばしにかかる。その勢いで登りもペースアップするが主要選手はみな集団前方で睨みを利かせているような形だ。そして俺が先頭から下がった際、そのスピードがそのままカウンターアタックの動きへと変った。

俺は少し集団の中ほどに下がってしまい、第1グループに入り損ねた。前にはおよそ30人。早めに対応しないと手遅れになる。周りを見渡すと主要選手がごっそりと抜け出るような展開になっている。ある程度主要選手がバラけるような形にしておかないと良くない。

ミヤタからは鈴木、柿沼、高野、中村、増田が入る。5人が入っているということでは決して悪くない。しかし高野、増田は序盤の揺さぶりに回るなら有効な駒だが、勝負どころ、それも序盤からの仕事を考えると少し心もとない。そして柿沼もしばらく肺炎を起こしてコンディションは良くない。他のチームと冷静に比較した場合、一度振り出しに戻した方が良さそうな展開に感じる。俺自身、そして津末や山下に集団の先頭でペースアップをおこない、かつ主力選手が逃げ遅れたマトリックスにも協力を求める。

前でもさすがにメンバーが良かったのかスピードは上がっていない。常に30秒前後。まで前は見えている。ここで監督からの無線で、前の選手のみでレースを展開し、後方は集団を抑える動きに、と指示が入る。俺たち後方はこの時点で前に託すことにする。

マトリックスも良いスピードを維持するが、さすがに群馬CSCのようなアップダウン、そしてコーナーの多いコースだとうまく走らないと追走のリズムは簡単に壊れてしまう。

案の定2〜3人のみが引くような形で、残る選手は数回ひいては集団後方に下がってしまい、その差は一気に開き始めた。

途 中前から10人ほどが離れて集団に吸収。俺はもう前に追いつかないのを確認してからアタック。先頭グループは食うことは出来ないだろうが、こぼれてきた選 手はすべて食い尽くすぐらいの気持ちで攻める。それに自分としては不甲斐ない今の状況を、せめて忘れることができるぐらいの走りはしてレースを終えたい。

何度か抜け出しては吸収される、を繰り返しラスト周回。15位争いの集団の先頭でゴールした。

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去年とか程遠い、すごく後味の悪いレース。調子が去年と比べて雲泥の差だったと言うわけじゃない。ただ何か歯車がうまく噛み合わなかった。ただそれだけだ。

集団前方では鈴木が優勝できる展開をしていたが、最後に足が痙攣して4位に沈没。

若い選手を中心に、チームにも俺を中心とした形以外のスタイルが出来つつある。それは直球のみしかないピッチャーが、決め球に変化球を取りれたかのように、急に戦術にも幅が出る。

俺が絶対勝たなければいけない、(鈴木)真理が絶対勝たなければいけない、と言った決まりはない。若い選手でもいい。そういった他チームから見て決め球を絞りにくい方が勝つには有効だろう。

これからのレースで今日最後に「甘い球を打たれた」教訓が生かされればいいな、と思い群馬を離れ家路へ向かった。

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