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No.006 UCIポイント獲得 前編

2001年4月 Schelde Prijs(Belgium/1-1)

俺が今シーズン始めに狙っているレースのひとつと考えていた「シュヘルデ・プレイス」。カテゴリー・1−1のセミクラッシックレースだ。

エースをサポートして走っている以上、俺たちがUCIポイントを獲得するのは至難の業。ビッグレースなので30位までポイントがもらえる。それに得意の横風&石畳。こういうチャンスは生かさないと・・・

コースはアントワープ郊外の石畳を走る平坦なコース(数年前までは小さな丘陵地帯も走ったが、今は全くの平坦にコース変更された)で、ゴールはアントワープの隣町「シュホーテン(Schoten)」だ。距離は210キロ、ニュートラルを含めると220キロある。

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スタート後20キロで最初の石畳があるので、集団のペースはいきなり速い。例年平均時速は44キロ前後になる。今年も大体同じだろうか。

30キロ地点で2回目の石畳。2キロ強あり、かなり荒れていて集団はバラバラ。第1グループでクリアー。残り距離が長いのでペースダウン、後ろから大半のグループが合流する。

先頭は8人が逃げているようだ。俺は集団から逃げ遅れたチームのアタックに反応。チームメートのクイリッツが逃げようと必死だったが決まらず。その隙を見てアタックを決め、集団とは40秒ほど開く。

しかし誰も反応してこなかったので逃げるのを中止し、集団を待つ。

50キロすぎの石畳を前にコーナーで、ザベル(テレコム)に突っ込まれる。その際前輪が少し振れてしまった。まぁ多少なら大丈夫だろう。そのまま走る。

しかし、これがあとでとんでもないことに・・・。

50キロ地点の石畳はミュセウの後ろで入ることが出来た。最初の石畳の段差が見えなくて凄い衝撃を受け、その際にハンドルが少し下に動いてしまった。

石畳を抜けるとロットが追走を開始。ここから横風になるので、後ろの選手も苦しめられる絶好の追走場所だ。集団の先頭を引く自分たちだけがきつい訳じゃない。ここで集団はかなり分断される。

農 道のような細い道が続くポイントで、ロットが全開で引き始める。ロットも力尽きたかな?なんて解釈し、後ろに下がっていた選手はそのまま横風にさらされて 千切れていく。この逃げにはアメリカのマーキュリーも参加。こうすることで少なくともマーキュリーのエースであるファンペーテヘムやグイディは脚を温存す るスペースを確保できるからだ。

俺も20人ほどの第1グループの後ろ、20人ぐらいのグループになってしまった。しかしこの日は調子がいい。ランプレやテレコムの選手が千切れる中、前との差を詰め補給地点手前で第1グループと合流することに成功。

補給地点で集団は60人ほど。サポートカーが後ろにいないと言うことは、1分ほど後ろに他のグループがいるって事だ。いつ追いついてくるか分からない。最悪90人ぐらいは覚悟した方が良さそうだ(あとで知ったが、このグループはザベルらのテレコム勢が追走していた)。

残る石畳はたったの2つ。しかしかなり激しく荒れた石畳だ。ドモのフェルエークやマキュエン、USポスタルのジョワヒムなどが前から千切れて前とギャップができ、俺も第2グループになってしまった。

ラストの石畳を前に第1グループと合流。追走していたテレコムの列車は完全に射程圏外へ。ここでようやくサポートカーも集団の後ろへまわる。

最後の石畳を抜けるとシュホーテンの町へ。ここで16キロの周回コースを3周する。

ここでの横風でマキュエンが脱落。ドモにとっては切り札がなくなってしまった。スプリンターはロドリゲスがいるが、集団の中には去年優勝したレオーニ、それに2位だったブライレーフェンスがいる。この中ではドモにチャンスはない。

ドモのペータースやディレクセンス(ランプレ)がアタックをかけまくる。マーキュリーのファンボンもグイディと言う切り札があるので攻めまくる。

俺はファンボン、それにドモの選手のアタックは反応するべく集団の前へ。ファンボン、クナーフェン(ドモ)のアタックに反応し、集団から抜け出すがレオーニのいるアレッシオがコントロールしている。

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ラスト2周で前輪のスポークが切れる。ザベルと衝突した際にスポークが曲がっていたようだ。メカニックからホイールをもらい集団を追走。

審 判車が俺の横でサポートカーに付かないようチェックしてくる。普段なら多少は見て見ぬ振りなのだが、今回は異常に厳しい。集団との差は15秒ほど。こんな ところでリタイヤしたくない、30位以内のUCIポイントを獲得したい。目の前が真っ白になりそうなぐらいに、全力でペダルを踏む。

(続く)

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