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No.004 天国から地獄へ 前編

'02GPエリック・ブルーキンク

今年から始まったステージレース「GPエリック・ブルーキンク」

3日間に渡ってオランダ南部・ベルギー北部を走る。

第1ステージ ブラーデル〜ヘルデレン 185キロ。このブラーデルはアマチュア時代、レースや練習で何度も訪れた場所だ。

朝は今にも雪でも降りそうな天気で、気温も低い。

水曜日の「GPワンゼーレ」ほどではないが、「凍てつく寒さ」というやつだ。

延々と冷たい風が吹きつけ、集団は時速30キロぐらいの遅いスピードで進んでいく。

寒いときにはトイレが近い。スタート直前に

10キロ地点(さすがにスタートの観衆の前じゃできないわな)

30キロ地点(う〜〜っ!寒ぃ!トイレ近いわ)

50キロ地点(ナンボ出るねん・・・)

70キロ地点(なんや、俺病気か?)

90キロ地点(・・・もうええ!っちゅうねん・・・)

一体どこにこれだけの小便が溜まっていたの?と悩んでしまいそうなぐらいに出るわ出るわ。

他の連中も2〜3度は止まっているだろうが、5回も止まったのは俺だけだろう。

レースが始まると天気は回復。太陽も顔を覗かせる。

レースも95キロすぎの登りまで穏やかそのもの。心拍も90すらいかないこともしばしば。

GPM(山岳賞)の設定された登りはアムステルゴールドレースでも通る急勾配の登り「ハレンバイ」だ。

この登りの手前から集団は徐々にスピードアップしていく。

130キロすぎで周回コースに入る。17キロを3周してゴールだ。

周回コースでは、それまでの穏やかなレースとは打って変わって、非常にアグレッシブなものになる。

標高差20メートルほどの登りが連続し、決して楽にはゴールできない。

このレースにはスプリンターが勢揃い。俺はなるべく逃げを打つようにアタックを繰り返す。

クワランタ(アレクシア)

ファンダイク(ロット)

ブライレーフェンス、クールツ(ドモ)

デヨング(ラボバンク)

カスパー、ナゾン(ラ・フランセージュ・デ・ジュ)

ケムナ(バンクジロローテレイ・バタヴァス)

カペレ(Ag2r)

ハント(ビッグマット)

ハモンド(コールストロープ)

等々。

すぐに思いつくだけで、これだけの世界レベルのスプリンターがいる。

スト2周までは逃げグループに反応し、ラスト2周からはスプリントに備える。

多くの列車がペースを上げ、容易には進まない。

ラスト4キロからファンマルデゲムとポジションを上げ、ラスト1,5キロで20番手あたりのまずまずのポジション。

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('02シーズン、俺は今までのシーズンの中で最も準備がスムーズにでき、チームが獲得するであろうジロ・デ・イタリアワイルドカード、その際メンバーに選ばれるべく、異常なモチベーションでレース、そして練習をこなしていた)

ラスト1キロで後ろから「マサ!道をあけろ!どけっ!」とファンハックの声が聞こえる。

ラスト5キロであまりスプリントに乗り気ではなかったので、自分のスプリントができると気合い十分だったが、いつの間にやら俺の後ろにつけていた。

仕方なくラスト1キロで道を空け、スプリント争いするスプリンター達の後ろで「スプリント観戦」で終わってしまった・・・

優勝はロットのステファーン・ファンダイク。ロットは今期11勝目。

集団はほぼ全員が同タイム。クワランタは調子が悪かったのか2分ほど遅れたようだ。

(続く)

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